本日は、クイント・ギター・シリーズの
Ver.021、完成報告(後編)です。
前編の記事はこちら前回は、とにかく模様を作るのが大変でした
という説明に終始しました。
今回は、各部の拡大写真を載せつつ
進めたいと思います。
厚さ5ミリの板を使ったので
ボディのカド、R処理(カドを丸くする)をすると
こんな風に見えています。

もし厚さ0.5ミリ程度のシートで作ったら
側面をどう見せるか、もっと悩んだと思います。

ピックアップは、スプロのミニハムで、
外見を少しアレンジしています。
ピックアップを吊るエスカッションは自作。
ブリッジはテレキャスのを切ったタイプ。
(自分で切ったわけではなく、既存品です)
スクロールの石は

ムーンストーンです。
Fホール

麻の葉模様の中心には、
指板に使う白蝶貝のポジションマークを埋めています。
これは正直なところ、
三角形を組み合わせる時に出来る頂点のズレを
隠してしまおう!という・・・。
今回は、ついでにヴォリュームとトーンのツマミも
自作しました。

正直、サイズがデカすぎたな、と思います。
ヘッドは、今回初めて作る形状。

以前から3:3ヘッドは作っていましたが、
それはデザイン的に、バインディング(ふちどり)必須になっていて。
バインディングの無いバージョンも作ろうと
デザインしていたところ、今回の試作があったので
ついでに試した。という感じです。
背面は

こうなっています。
弦はトップローディング
(ブリッジの下側面に弦のボールを止める穴がある)
なので、テレキャスターのような弦ブッシュはありません。
指板は、22.5インチのショートスケール。
これは、一般的な「フェンダー・ムスタング(24インチ)」
よりも少し短く、
ムスタングが出る前のミュージックマスター(デュオソニック)に
使われていたスケールです。
(数は少ないけど、一部のムスタングにも使われていたようです)
ブリッジにシンプルで簡易的なものを選んだのは、
フェンダーの「ショートスケール入門機」の流れが
頭の中にあったせいでもあります。
以上です。
すごく大変だったのに、
次はバリッバリのカーリー杢のメイプルで
麻の葉模様ギターを作ってみたいな!と思ってたりして。
熱さ過ぎればナンとやら。
けど、指板のスケールやピックアップを変更すると
うまく模様にハマるかな、とかも懸念。
いや指板はムスタング式に、24インチスケールなら
難なくハマるか…、とか。
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本日は、クイント・ギター・シリーズの
Ver.021完成報告(前編)です。

このギターは身内用というか、
プライベートの試作というか・・・。
「こういう事もできるんじゃないかー」
というノリで作った非売品です。
かなり前に完成しており、
既にSNS等で写真をご覧になった方も
いらっしゃるかと思いますが、
身内用という事もあり、
ブログで詳細を紹介していませんでした。
以前から、「木象嵌(もくぞうがん)」
(木を組み合わせて絵や柄を表現すること)
のギターが作りたかったのですが
娘が生まれてから「麻の葉の文様」に興味を持ち
(子供の健康願いや魔よけの意味があるらしいとか)
麻の葉の木象嵌、のギター、いいじゃーん。
と軽く思い立ちました。
まずは模様の試作。
厚さ5ミリのサペリという木材で18枚の二等辺三角形を作り
厚さ0.5ミリの薄板を挟んで、コースター的なのを作ってみました。

予想していましたが、ウチの加工機械では、
精度の良い二等辺三角形を作るのが
結構しんどい事が判明し。
すでに嫌な予感が・・・。
ちょっとやめておこうかなという雰囲気に。
「木象嵌」にも色々あって、「箱根寄木細工」などは、
薄い(たぶん厚さ0.5ミリくらい)シート状にしているようです。
そもそも作り方も違うのですが・・・
ギターの表板にする場合、板の側面も見せるし
ギターボディ外周のカドはRに(丸く)しますので、
木象嵌が薄いと、その辺りの処理が上手く行かないな
と思っての「厚さ5ミリ」です。
それから数年間放置した後、
そろそろと思い、まずは絵を描いてみました。
ギターの中心部を貫く「線」があって、それを基準に
ボディの向かって左上のスクロール(うずまき)に埋める石の中心に、
ぴったり三角形の模様がハマるよう三角形のサイズを割り出し、
描いてみたところ

なんと、三角形を240枚ほど作らねばならない事が判明。
ががーん。
いっそ外注したいけど・・・外注先を選定するのにもパワー使うし
材料を支給して作ってもらうのかとか、木目の方向とか
1本目の試作だから、途中で変更するかもしれないしとか色々。
悩んだ挙句、本業の前後の時間を使って
自分でチマチマ作る事にしました。
で、出来た三角形がコチラ。
ギター材料としてはサイズ的に使い道があまり無かった
軽く杢の出ているカリンの板を使いました。

三角形の長辺が
木目の縦方向になるように切っています。
次は接着。
まず、3つのピースを合わせた正三角形を作り
それを1単位とし、
その正三角形を
ボディの中心の線がまっすぐ通るように
組み合わせて接着していきました。

貼り終り、外周を成形したり
Fホールを明けたらこんな感じに。

ここまで出来て、やっと完成が見えてきました。
今回は以上です。
後編に続きます。
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こんにちは。
本日は、
クイント・ベース・シリーズのVer.005の
完成報告です。


このベースは、工房の試奏用で、非売品です。
かなり前に完成しており、
既にSNS等で写真をご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、
ブログで詳細を紹介していませんでした。

工房にありますので、ぜひ、
色々な方に試していただきたいと思っています。
ボディは、フェンダーのベースでよく使われるアルダー材を使い
ラメ塗装をしています。

ラメは、銀色のラメをボディ全体に乗せて、
クリアレッドを吹き、この色に仕上げています。
前から試してみたかったラメ塗装。
今回は初めての試みでしたが・・・
ウチの塗装設備では、非常に困難な事が分かりました。
今後このような、全体を覆うようなラメ塗装は
出来ないなと思いました。
ピックガードはカーボン板から切り出し。
カーボンは、・・・とても硬いです。
ピックアップは、フェンダーUSA カスタムショップの
‘60sジャズベース・セット。
ピックアップに関しては、試奏用なので
なるべくスタンダードなもの、という事で選びました。
コントロールは、ジャズベース同様の
2ボリューム、1トーン。
スクロールに埋めた石は、ガーネット。

コントロールのツマミはHATA製。

ラメ+カーボンの雰囲気に合っているのではないかと。
背面は、

こうなっています。
クイント・ベースは、
ネックを6本のボルト(×ナット)で止めています。
ブリッジが、弦をボディ表(トップ・ローディング)からでも
裏からでも張れる仕様ですので、
弦を止めるブッシュも埋めてあります。
(現状は表から張っています)
ヘッド表は、ボディ同様のラメ仕上げ。

ヘッドの裏は、こうなっています。

今回のテーマは「赤」なので、
ちょっとひと手間、赤いラインが見えるよう
ツキ板を貼りました。

以上です。
冒頭にも書きましたが
このベースは現在、工房にあります。
ぜひ試奏していただきたいと思っています。
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クイント・ギターVer.020(セミソリッド・ギター)
完成報告(3/3)
本日は、クイント・ギターシリーズのVer.020
セミソリッドボディ、ビグスビー搭載ギターの
完成報告(後編)です。
(前編はこちら)(中編はこちら)では、ボディの続きから。
ジャックの位置は、オッキオと同じです。

ごく初期のオッキオのジャックは、
エレアコギターのエンドピンに使われるような形状の
「ダイレクト・マウント・ジャック
(ビルトイン・ジャック)
(英語ではFlush-mount Jack)とも言います」
を使っていましたが、
ジャックは消耗品であり、
ダイレクト~は、
やや入手しにくく高価である等の理由で
リペアしやすい通常のジャックを使うようにしました。
トップ板の裏は、ちょっとした補強の梁を設けています。
これは、ビグスビーを搭載する為です。

ボディ内部に
ギブソンES-335等の様なセンターブロック(柱)があれば
こういう梁は必要ありません。
ボディのバック側は、ウォルナット。

ブリッジが乗る部分に柱を残しています。
ボリュームとトーンのツマミも

ボディカラーや他パーツとの統一感があるモノを選びました。
ツマミが付いている、
ボディ内部の「ポット(可変抵抗)」は
回転が、やや重く感じるモノを選んでいます。
今回のボディはセミ・ソリッドで、
ボディの鳴りが大きめ。
回転が軽いポットは、ボディの鳴り(振動)で共振しやすく
特に生音で弾く際に、耳障りなノイズが聞こえる事があります。
ボディ背面はこんな感じ。

裏フタもウォルナットです。
ネックもウォルナット。


ネックはオイル仕上げで、
ペグはスパーゼル(ロック式)です。
以上で、
クイント・ギターver.020の完成報告は終わりです。
予定外に長々と書いてしまって。
読んで下さった方、ありがとうございました。
このギターは現在、工房にあり、販売中です。
ぜひ試奏していただきたいと思っています。
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クイント・ギターVer.020(セミソリッド・ギター)
完成報告(2/3)
本日は、クイント・ギターシリーズのVer.020
セミソリッドボディ、ビグスビー搭載ギターの
完成報告(中編)です。
(前編はこちら)まずはボディについて。


ピックアップは、ケントアームストロングの「ケントロン」。
これは、通常のハムバッカーサイズで、
グレッチの「フィルタートロン」に寄せて作られたもの。
ギターを弾き始めた初期から
グレッチに憧れてた私としては、
ビグスビーとFホール付きのセミ・ソリッド・ギターに
付けてみたくなるピックアップでした。
ただ、マイナーなピックアップでもあり
好みが分れるところ・・・。
お客さんがギターを購入された後に、
ホントのフィルタートロンよりも容易に、
お好みのハムバッカーに交換できるという
利点もあって、採用しました。
スクロールの石は、前回も触れましたが
珊瑚の化石です。

ピックガードに見える部分は、
板を貼った訳ではなく、
青の着色の際にマスキングをして「塗り分け」しています。

つまり、単なる装飾模様です。
デザインした私が言うのもナンですが、
この、オッキオ用に考えたピックガードの形は
とても気に入っていて。
以前から、クイントにも
デザインとして取り入れたいと思っていました。
いわゆる「ピックガード」の役目は果たしませんが、
今までの「クイント・セミソリッド・シリーズ」は、
ピックガード無しのシンプルなトップ面でしたので、
それらと同じ、という事です。
この模様のフチには、凹溝を掘り、
細いアバロン貝を埋めました。

塗装後は、着色無しの木目が
海に浮かぶ砂丘の様に見えたら
と思っていました。
ブリッジは、ローラーブリッジ。

この手の「ギブソン式のブリッジ」は、
フェンダー式のブリッジよりも背が高く、
通常のフェンダー式のボディ×ネックの構造では
そのまま付けられません。
そのため、ボディに凹みを掘って、
ブリッジを収めています。
この工法は、ビータギタラーズでは初になります。
前編で
「昔、テレキャスター・シンライン
(シングルピックアップのタイプ)に
ビグスビーを付けるか悩んだ」
と書きましたが、
その悩みの種は、ブリッジでした。
当時、通常のテレキャス・ブリッジからは、
うまく改造できなさそうだなー、と思ったのです。
今なら・・・ジャズマスター(ジャガー)か
ムスタングのブリッジか?
で、リアピックアップを吊るプレートは自作か?
とか・・・。
いや、当時は思いとどまって正解、と思うようにしています。
長くなってしまったので、今回はここまで。
(ホントは、1話で完結させるつもりだったのに)
次回で完結です。
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