今回も引き続きクイント開発日記、
ネック加工編の3回目。
前回、
ネックの反りを調整するための「トラス・ロッド」という棒を埋める溝を掘りました。
さて、ウチで使っているトラス・ロッドはこういうもので

ネックが弦に引っ張られて礼儀正しく「おじぎ」しても
逆に、偉そうにそっくり返っても調整ができる、
2本の棒をマトメたものです。
実際にネックを調整するときは
「六角レンチ」

っていう、断面が六角形になっているL字の棒を使いますが…
このサイズ、米国でお得意のインチ単位で
「1/8インチ」
というものなのです。
むう…。
1インチは、25.4ミリ。
つまり、1/8インチは、約3.2ミリ…。
最小単位が25.4ミリだなんて、
あんたの国は、どんだけビッグカントリーだよ、
と突っ込みたくなるし、
実際、ギターを作ってるときはいつも独り言で突っ込んでるし、
日本製のガンダムだって、いまどき
身長「約59.4尺(しゃく)」とか言わないよね、
(1尺=約0.303メートル)
と、小言も言いたくなります。
元々ギターは「アッチ」のモノなので
インチ単位を使ってるのはしょうがないのですが、
私が作る時ならともかく、お客さんが調整するときに
インチ試練をお願いするのは
ジャパン的にどうかとも思っていました。
(ちなみに弦の「09」とかってのは
0.009インチ(約0.23ミリ)のことです)
さて、
円高に乗じて先日、米国からパーツを取り寄せたのですが…
知らないあいだに…
トラス・ロッドの規格が変更されていました。

(六角レンチを突っ込む穴の拡大写真)
右が旧型の「1/8インチ」
左が新型の「4ミリ」
…。
なんで今さら。 ミリ…。
ウチは新品お買い上げの方にレンチを付属させていますが…

1/8インチのレンチ、在庫を抱えてますぞ。
今作ってるクイントやオッキオなどは1/8なので、まあイイけど。
こうして歴史が…
後世のギター鑑定士さんは
お、このクイント、1/8インチ穴のロッド使ってるぞ、
「本物の試作品」だ。
と…。
なるわけないか。
今回も長文にお付き合いいただき、
ありがとうございます。
次回もネック編です。
つづく~。
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